ピョンピョン舎を後にして、岩手と秋田の県境を目指す。
当然、山深くなり、積雪も深くなる。私たちが出かけた季節は、十二月。
花巻や盛岡の都心部は雪を見る事もなかったが、山間部になると景色は一変する。
レンタカーは、
トヨタレンタカー で借りた小さな
トヨタ・パッソ だが、雪国らしく4駆仕様でスタッドレスタイヤを履いているので、ストレスも無く、どんどん進み、実に頼もしい。
ただ、乳頭温泉に向かうには、国道だか県道だか、整備された幅のある道を外れて、林道のようなところを
かなり走らなくてはいけない。道幅も狭く、もし道をはずれれば谷のほうにずるずるっと落ちてしまいそう。
おまけにアップダウンもかなりあり、4駆・スタッドレスといえど、アップでは「頼む!登りきってくれ!」、
ダウンでは「どうぞ、最後まで制動が効きますように」と祈りながらのドライブをかれこれ30分位しいられる。
で、その先に、雪の中にすくっと現れるのが乳頭温泉「鶴の湯」。
なんだか、雪の幻想的な風景と相まって「ついに辿りついたど!」という不思議な感動に包まれる。
良く出来てる!「鶴の湯」

乳頭温泉「鶴の湯」は、山深いところにありながら、歴史が古く、この地の殿様も湯治に訪れたという由緒を持つ。その際、警備の者が詰めた建物として、今でも現存し、鶴の湯を代表する建物となっているのが「本陣」。
茅葺き、囲炉裏付のこの建物は、雰囲気抜群で、よくありがちな「民芸風」とはまったく重みと趣が異なる。
「鶴の湯」は随所に古くてよいものを大切に残し、けして過剰で嫌味にならないよう、よく分かった演出を随所に凝らしている。その妙が実に見事な旅館。
向って左側の建物が「本陣」。残念ながら私たちの宿泊場所は向って右側の二・三号館)

趣のある帳場と帳場入り口近くにある飲み物が石をくりぬいた水舟に。
こんこんと湧き出す水で冷やされ、とってもおいしそう。
食事も絶妙
食事は、この「本陣」でとることが出来る(「一号館」そして囲炉裏付の「新本陣」「東本陣」は部屋食)。
実は、本当は「本陣」を取りたかったのだが、私たちの日程では空きが無く一番簡素な「二号・三号館」しか取れなかったのだ。まあ、部屋はさすがに情緒溢れるわけでなく、さりとて殺風景な感じでもなく、まぁ、安いし(なんと2食付で8550円。本陣でさえ9600円。これは値打ちありますよ!)、良しとしよう。

で、食事なのだが、これまた取り立てて何かあるというわけではないのだが、何と言うかよく出来ている。
囲炉裏にかけられた鍋からよそわれる山の芋鍋、囲炉裏であぶられた岩魚等、豪華というわけでもなく、過剰な演出があるでもないが、何やらにんまりしてしまいそうな感じ。
本当に、満足の妙を良く知っている宿だと思う。
岩魚を炭火焼など、たーくさんの料理が出たが、
食べるのに夢中で写真を撮り忘れた。
名物「山の芋鍋」。しみじみうまい。
やはり温泉。
そしてこの宿の醍醐味はやはり温泉。有名な混浴露天風呂をはじめ、なんと贅沢にも4種類の泉質が異なる源泉から湯を引いている。
どの温泉も味わい深いが、やはい露天風呂が温度も低めで長湯でき、気持ちがいい。


そして朝食。
朝食は運良く、囲炉裏端に陣取ることができた。
やはり、火のそばっていうのは、すごくいいもんですねぇ。因みに部屋食でない二号・三号館宿泊の場合、食事どころの座る場所は指定されていない。つまり早い者勝ち、なので、ちょっと早起きする事をおすすめします!

特段、豪華でも変わったものがあるでもないが、十分満足。

きれいな炭火。
何気なく、さりげなくですが
宿の方が、綺麗な火になるよう
灰をならし、炭を丁寧に積み上げて
おられました。
この辺りの目配り気配りが
じつに素晴らしい・・・と感じます。
(岩手花巻『大沢温泉 自炊部』へ続く)
温泉好きのバイブル 『自遊人』でも、「鶴の湯」は絶賛。
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- 2009/06/09(火) 00:05:31|
- 旅行|
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